BAD & BAD【Ⅰ】
私は真修に刺々しい眼差しを向ける。
真修はわざと私と目が合わないように、足元に視線を落とした。
おい、お前。
家族ぐるみの仲って答えようとしたでしょ。
もし真修の親が神雷のOBだって皆が知ってたら、私の親もそうだと思って詳しく聞きに来ちゃうかもしれないよね?
それくらい考えたらわかるよね?
焦ってたからドジる率高まってるのかな。
「改めて、ようこそ神雷へ」
師匠がこの場を代表して、両腕を広げて私を快く神雷に迎え入れた。
「ん、歓迎の印にアイスやる」
「ちょっ、凛さん、ちゃっかり自分の分まで……!いつの間に2つ目のアイスを!?腹壊しますよっ」
「いいだろ、別に。桃太郎、お前も食うか?」
「要りません!」
「あ、メールだ。……やっべ、この前ナンパした子からデートに誘われちった~」
「へへっ、仲間が増えて嬉しいなあ」
「幸珀が……神雷に……。俺、大丈夫かな」
やっぱり、やけくそで神雷に入ったのは間違いだったんだろうか。
いきなり後悔が募っちゃったよ。
……前途多難すぎて、怖い。