BAD & BAD【Ⅰ】
「へえ、おめでとう」
「いや、めでたくないから」
むしろ、真逆だから。
今からでも取り消せるなら、一刻も早く取り消したい。
「それとね、神雷に真修がいたんだよ!」
「え!真修って、あの真修くん?」
「そうそう!びっくりしちゃったよ」
「真修くんも不良になってたなんて、やっぱり子どもって親に似るのかしら」
どうして、お母さんは私よりも真修の話題の方で盛り上がってるの。
不公平だ!
ちょっとふてくされちゃうぞ!?
「でも、よかったわね。同じ族に幼なじみがいて」
「うーん、本当によかったのかな……?」
味方がいるのは助かるけど、逆に私の正体がバレる要素増えてない?
真修が、口が固くてなんでも平然とこなせてもっと大人びていたら、私も心から安心できただろうに。
ドジっ子真修にそこまで求めるつもりは、一切ありませんが。