BAD & BAD【Ⅰ】
「もうすぐ1時間目が終わるってのに、よく堂々と『セーフ』って言えるな」
「2時間目からは普通に出られるからセーフでしょ、小泉パパ」
「大遅刻しといてどこがセーフだ!もういい、廊下に立ってなさい」
ろ、廊下に立つ……!?
このご時世に!?
「冗談やめてよー」
「冗談じゃない。さっさと廊下行け!!」
「えええ!?」
こ、これは、本気で怒ってる……?
クラスメイトのクスクス笑う声が耳に入って、両頬を膨らませる。
うぅ、小泉パパひっどーい。
私はげんなりとしながら、渋々教室前で棒立ちする。
「こんな昭和的行動を、まさか私がやることになるなんて……」
昨日から、ありえないことの連続だ。
人生、何が起こるかわからないもんだねぇ。