BAD & BAD【Ⅰ】
保健室?
でも、保健室でどうこうできるわけじゃないよね。
耳鼻科に直行したくても、耳鼻科ってどこにあるのかわかんない。
あんまりお世話になったことがないからな。
んー…………あっ!
「きゅ、救急車呼ぶから待ってて」
「ちょっ、おいおい!なんで急にそうなった!?」
救急車を呼ぼうと、スカートのポケットからスマホを取り出そうとした私の震えている手を、隣の席の人が慌てた様子で掴んだ。
「なーんだ、耳大丈夫じゃん。心配して損したよ」
「お前、相変わらず頭おかしいな」
「え、そう?」
「自覚なしかよ!」
彼の名前は、大宮 鷹也【オオミヤ タカヤ】。
あだ名は、たかやん。
2年生になった初日に知り合った、この学校で唯一の私の友達。
もう少し正確に説明するなら、この学校に通ってる、真修ではない方のもう1人の幼なじみ以外で、唯一の友達だ。