BAD & BAD【Ⅰ】
たかやんと知り合ったのは、隣の席だからという、ありきたりな巡り合わせではない。
「たかやんとの出会いは、今でも鮮明に覚えてるよ」
「いきなり語りだすなよ、きめぇな」
キモくないよ!
美しき友情でしょ!?
「隣の席同士の私達2人が、進級初日早々に遅刻しちゃったんだよね」
なんだか運命っぽくて照れちゃうな、きゃはっ。
だけど、ごめん。
たかやんのこと、恋愛対象としては見れないの。
「ああ、目覚ましをかけ違えちまってな」
「えっ、そうだったの?」
「お前もそうじゃねぇの?」
「私は違うよー」
私が目覚ましをかけ違う?
はっはっはっ、私がそんな理由で遅刻するはずないじゃん。
「私はもちろんサボり」
「はっきり言うな!……いっそ清々しいわ」