BAD & BAD【Ⅰ】
そっかそっか、たかやんってもう不良なんだ。
ふーん。
知らなかったなぁ。
「……って、え!?」
たかやんが、不良!?
まじ!?
「今日エイプリルフールじゃないよ?」
「安心しろ、俺の頭はお前のとは違って正常だ」
たかやん、そんな凍てついた目で見ないでよ。
私のガラスのハートにヒビが入っちゃうぞ!?
「たかやんに隠し事をされてたなんて……幸珀ショック!」
「隠し事も何も、この学校の生徒なら誰でも知ってるだろ」
「え?なんで?」
「……それくらい、やんちゃしてるってことだ」
たかやんは目を伏せて、ポツリと呟くように言った。
だんだんとしぼんでいったたかやんの声の裏には、嘲笑と後悔が潜んでいた。