BAD & BAD【Ⅰ】
他人事のように横目に様子見していたら、勝っている方の不良と目が合った。
オリーブ色の髪を左半分だけ刈って、器用に左のこめかみの辺りからイナズマのマークを掘っている、へんてこな髪型をした不良が、
殺気立った視線で私を突き刺す。
野次馬はどっか行けって?
はいはい、わかりましたよー。
寛大な私は素直に従って、回れ右して家路をたどると、また殴りつける音が轟いた。
「ぐは……っ、お、お前が、今噂の……」
血反吐を吐きながら呟いた、負けてる方の不良の声が、私の耳にも届く。
何か言う力が残ってるなら、さっさと逃げればいいのに。
「不良撲滅隊の、NINA【ニナ】なのか……!?」
思わず、足を止めた。