BAD & BAD【Ⅰ】
「はーい、ちゅうもーく!ここに罰ゲームを無視してる悪い子がいまーす」
「おまっ、ちょ、シーッ」
挙手して皆に知らせる私に、弘也は焦りながら自分の口元に人差し指を添えた。
シーッ、とか可愛いなこいつ。
でも、もう遅いよ。
ルール違反はしちゃいけません!
「本当か?弘也」
「うっ……」
桃太郎が口角を上げて、ポキポキと指を鳴らす。
指名手配犯もびっくりの悪人面だ。
「凛さん、どんな処分にします!?」
「んー……」
あの、すみません副総長、顔に「寝たいからそっとしておいて」ってあからさまに書かないでくれます?
まあ、桃太郎はいつもの憧れフィルターのせいで気づいてないみたいだけど。
「じゃあ、もう1か月罰ゲーム延長でいいんじゃねぇか?」
「えぇ!?そんなー!」