Light ! *
 






そして、楽しい時間は思いのほか早く過ぎてしまった。








「ふーー! 終わった〜」


「お疲れさま!」








当番活動の時間が終わる。
廊下に出ると、図書館のこもっていた空気から解放されて少し涼しい。






当番活動もそこまで何時間とあったわけじゃなくて、
たったの30分ぐらいだったんだけど妙に肩が凝った。


今現在わたしの隣にも伸びをして体をパキパキいわせている人がいる。




ずっと腕を伸ばしたりしてたからかもしれない。








……そういえば。








「そういえば、名前……聞いてなかった、かも?」


「あれ、そういえば。
 ……柴本遥真( シバモト ハルマ )、です。よろしく!」








そういうと手をこちらに差し出してきた。
その手を握り返して握手をする。








「……藤咲ひかりです! よろしくね」


「あなたのことは存じ上げておりますよ、藤咲さん」


「え」


「同じクラスだし、中川もいるからさ?
 野球部じゃ結構有名なんだよ?」








そうだった。
わたしたち同じクラスだったんだ……。


めちゃめちゃ悪い事をしたな、とか思いながらふと考える。






中川って……? ……晃佑のことだ。


わたしのことがなんで野球部で有名なんだろう。


晃佑わたしの笑い話でもバラしてるのかな?




だとしたら後で文句でも言わないと気が済まない。


まったく、晃佑の大バカ。








「ごめんね、同じクラスなのに……」


「いいよー! 全然!
 あっ、そういえばそろそろ部活行かないとヤバいかも……」


「あ、そっか部活か。頑張って!」


「うん、ありがとう! じゃあまた明日〜」


「あ、うん! また明日ね!」








そういうと柴本くんは走り出して行ってしまった。




……さすが野球部。行動がとても早い。尊敬する。




猛スピードで降りて行ってしまったので、もう姿が見えない。






 
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