Light ! *
「……ほら、行くぞ? 学校」
「……うんっ」
圧倒された男の手を振りほどいて、晃佑の元へ駆け寄る。
歩きながら振り返ると、どうやら3人は駅の警備員さんたちに取りおさえられてるようだった。
なんで、なんで晃佑がここに――――――。
ほっとしつつも涙が止まらなくて、
もうわたしの顔は涙でぐしゃぐしゃになっていた。
そのことに気が付いた晃佑が止まって
わたしの顔をのぞき込む。
「大丈夫か、ひかり?」
「……ううう……大丈夫。うん……」
「全然大丈夫じゃなさそうなんだけど」
そう言うとわたしの頭の上にぽんと手を置いた。
こっちこそ晃佑の心配をしたいのに、全然言葉を発することが出来ない。
何かが喉に引っかかってる。そんな感じ。
「おれさ、今日寝坊したんだよね」
「……え?」
「おれがひかりを助けるために、神様が寝坊させてくれたのかもな」
なんでこんな、涙が出るような言葉を言えるのかな。
元々だけど、この言葉を聞いてから
また涙がぼろぼろと溢れて止まらない。
ありがとう。嬉しかったよ。
……これだけでも言えたらいいのに。
ただ頷くことしか出来ない。
『おれのひかりに、手を出さないでくださいよ』
……この言葉を思い出すだけで、
胸がきゅうっと締め付けられるように苦しくて。