Light ! *
 






そして、ついにその日が来た。




わたしは少しの緊張を押し殺しつつ学校に向かう。




もしも藤咲さんが本当に危ない目にあってしまったら、とか
バレたらどうしよう、とか


そんなことを考える時もあった。






……でも、それ以上に。




藤咲さんが少し憎かったし
わたしとは直接関係ない、と思えば全然平気だった。








「おはよう」


「……あ! おはよう!」








教室の自分の席に着くとすぐ、友達に声をかけられた。




____もちろんあの、誘拐の首謀者の友達だ。








「今日だね」


「う、うん! ……そうだね」


「あー楽しみ。どうなるか」


「本当、だね」








心臓がバクバクしていることを悟られないのに精一杯で
よく友達の顔が見られない。


話せば話す分だけ現実味がまして、さらに心臓が締め付けられる。






理由はちゃんと分かってる。


……平気ではあるけど、後悔が全くなくなった訳じゃないから。






 
< 27 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop