Light ! *
そのままずるずると藤咲さんが今頃どうなってるかを
考えてながら過ごしていたら、あっという間に2時間目終了のチャイムが鳴った。
こんなに授業をぼーっと過ごしたのは入学してから初めてだ。
「今頃どうなってるかなぁ、藤咲さんは」
休み時間、わたしの席に来た友達は来るなりそう呟いた。
口角を軽くあげてとっても楽しそうな顔をしている。
……例えるなら、いたずらをしかけて成功しそうな時の感じ。
「どうだろう、ね」
「楽しくないわけ? この状況」
「え」
またしても心臓が高鳴る。
楽しくないわけないじゃない。
とっても楽しい。楽しいけど。
……それでもやっぱり、今のわたしには後悔の方が大きかった。
「中川くんはファン多いし
逆にファン達にとっては良かったんじゃないかなって思うけど?」
「……確かに、そうかも」
藤咲さんを邪魔だと思ってる子達は他にもいるはずだ。
だとしたら、少し良いことをしたのかもしれない。
そう思ったら心が軽くなった。
そして、別の話を振ろうと思って口を開こうとした。
_____その時。
ガラリ、と教室の扉を開ける音が聞こえた。
思わずその方を見る。
びっくりして、開いた口もそのままに友達の方を見ると
友達もびっくりしたように目を見開いていた。
______だって、入ってきたのが藤咲さんだったから。