Light ! *

　






―――――――――――嘘でしょ？








信じられなかった。






信じたくなかった。






歩くのをやめて立ち止まる。



横にいたともだちに確認がしたくて。








「海寧( ｱﾏﾈ )、今の……聞いた？」


「ああ、ばっちり聞いちゃった」








ばっちり…………聞いていた。






やだ。


やだやだやだ。








「……晃佑くんが……助けたんだね」








そう言ったのは自分なのに、涙が出そうになった。








「……そうだね」


「藤咲さんって、運、ほんっとに良すぎない……？」








うんうん、と海寧がうなずく。






やだな。
泣かれてるところをみんなに見られたくない。




でも、涙はなんでか溢れてきて。






海寧はわたしの背中をぽんぽんと叩く。








「絢音( ｱﾔﾈ )、泣かないでよ」


「だって、だって……」








助けたのが晃佑くん以外の誰かだったら全然良かったのに。






よりによって、なんで…………。








すると、不意に海寧がわたしの耳に口を近づけた。








「ねえ、今考えついたんだけどさ。



　―――――――――――――――――――――――――」








こそこそとわたしに耳打ちをしてくる海寧。






……確かに、これなら。






涙を拭いながら顔を上げる。








「____うん、良いかも」








笑って頷くと、海寧も楽しそうに笑った。