Light ! *
「そりゃ、ありがたいね」
「……そんなだからひかりちゃんが…………」
萌依が何かを言ったけど、距離が離れていてよく聞き取れなかった。
ボールを返すついでに聞き返す。
「なんか言ったかぁ?」
「なんも言ってない!!!」
ものすごい速さで、しかも投げやりに返ってきたボールをキャッチする。
さすが、次期エース。
それから、別にモテてるとかモテてないとかおれは興味無いし。
好きな野球が出来てればそれでいいし。
「……あ…………」
そう思いながらボールを投げると、萌依の後ろの方にある曲がり角から人が出てきたのが見えた。
だんだん近付いてくるその人がひかりだと気付くまでに、そんなに時間はかからなかった……はずだ。