Light ! *
 








「そりゃ、ありがたいね」


「……そんなだからひかりちゃんが…………」








萌依が何かを言ったけど、距離が離れていてよく聞き取れなかった。


ボールを返すついでに聞き返す。








「なんか言ったかぁ?」


「なんも言ってない!!!」








ものすごい速さで、しかも投げやりに返ってきたボールをキャッチする。


さすが、次期エース。






それから、別にモテてるとかモテてないとかおれは興味無いし。


好きな野球が出来てればそれでいいし。








「……あ…………」








そう思いながらボールを投げると、萌依の後ろの方にある曲がり角から人が出てきたのが見えた。




だんだん近付いてくるその人がひかりだと気付くまでに、そんなに時間はかからなかった……はずだ。






 
< 37 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop