Light ! *
不意に目が合う。
どちらも逸らす気配がない。
なので目が合ったままでいると、
萌依がひかりに話しかけたのでひかりが視線を先に下げた。
「どうする? 久しぶりだし、寄ってって?」
「うーん……、今日はいいかな。ごめんね萌依ちゃん」
ひかりが丁重に断る。
でもその後も、萌依は諦めずに誘い続けていた。
そして、このままだときっとガールズトークに花を咲かせてしまうだろう。
いつものお決まりのパターンだ。
「……萌依」
少し我慢ならなくなったおれが萌依の名前を呼ぶと、
萌依は少しびっくりしつつも「なに?」と言って振り向いた。
「少し、2人にして」
そう言うと萌依はぶー、と頬をふくらませて
不機嫌そうな顔になる。
あーあ、怒り出すぞ。
ところが萌依は、嫌とは言わずに玄関のドアに手をかけた。
「はいはい、ごゆっくり!」
そう言うと、ガチャリとドアを閉めて家の中に入っていった。
いつもは嫌がって反抗してくるのに、珍しい。
1人で驚いていると、ひかりがゆっくりとこっちに近付いてきた。