Light ! *
 






不意に目が合う。




どちらも逸らす気配がない。






なので目が合ったままでいると、
萌依がひかりに話しかけたのでひかりが視線を先に下げた。








「どうする? 久しぶりだし、寄ってって?」


「うーん……、今日はいいかな。ごめんね萌依ちゃん」








ひかりが丁重に断る。


でもその後も、萌依は諦めずに誘い続けていた。





そして、このままだときっとガールズトークに花を咲かせてしまうだろう。


いつものお決まりのパターンだ。







「……萌依」








少し我慢ならなくなったおれが萌依の名前を呼ぶと、


萌依は少しびっくりしつつも「なに?」と言って振り向いた。








「少し、2人にして」








そう言うと萌依はぶー、と頬をふくらませて
不機嫌そうな顔になる。








あーあ、怒り出すぞ。








ところが萌依は、嫌とは言わずに玄関のドアに手をかけた。








「はいはい、ごゆっくり!」








そう言うと、ガチャリとドアを閉めて家の中に入っていった。




いつもは嫌がって反抗してくるのに、珍しい。






1人で驚いていると、ひかりがゆっくりとこっちに近付いてきた。






 
< 39 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop