Light ! *
「それじゃ、帰ろうかな」
用はこれだけだし、と言って少し苦笑いするひかり。
「んじゃ、送ってく」
「いや、大丈夫。ケガ人に負担かけちゃいけないから」
そう言うとおれにくるりと背を向けて歩き出した。
でも、数歩進んでから不意に止まって、こちらを振り返る。
「……いつから学校、来れそ?」
少し控えめな声でおれに尋ねてくる。
「あ、……早ければ明日にでも」
「そっか」
そう言うと納得したように笑った。
つられておれも口が緩んでしまう。
昔から本当にひかりには弱い。
たとえ笑ってても怒ってても、……泣いてても。
お互いに何もしないまま少し間が空いて。
空を見ていたひかりが視線をこっちに戻してから
バイバイ、と手を振って歩いていってしまった。