Light ! *
 




「それじゃ、帰ろうかな」








用はこれだけだし、と言って少し苦笑いするひかり。








「んじゃ、送ってく」


「いや、大丈夫。ケガ人に負担かけちゃいけないから」








そう言うとおれにくるりと背を向けて歩き出した。


でも、数歩進んでから不意に止まって、こちらを振り返る。








「……いつから学校、来れそ?」








少し控えめな声でおれに尋ねてくる。








「あ、……早ければ明日にでも」


「そっか」








そう言うと納得したように笑った。


つられておれも口が緩んでしまう。




昔から本当にひかりには弱い。


たとえ笑ってても怒ってても、……泣いてても。






お互いに何もしないまま少し間が空いて。


空を見ていたひかりが視線をこっちに戻してから
バイバイ、と手を振って歩いていってしまった。




 
< 44 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop