好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】


小路はなんとしても、真紅の命を護らなければならない。
 

始祖の転生は強大な力を持つ代わりに、その血は至高。


妖異が得てしまえば、また大きな力と生命力を与えてしまう。


――ゆえに、小路の始祖の転生は妖異に狙われやすく、ある程度成長するまで存在を秘されているのが常だった。


「だが、今回は少しわけが違う」
 

黒藤は普段のおちゃらけた様子はどこへやら、難しい顔で続ける。


「真紅嬢は、純粋な小路の者ではない……」
 

白桜が補うと、黒藤はそうだと肯いた。


「退鬼師桜木の血が入っている」

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