好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
「いや? におうっつーか、俺みたいな奴しかわかんないと思うけど……すごく、食べたくなるいいにおい」
「食べ……⁉ 吸血鬼じゃなくて食人鬼だったの⁉」
(ダーマーとかああいったタイプ⁉)
「いや、俺は混血だけど、主食は血だよ。人肉食はしない」
「それはさらに胡散臭さが増すんだけど」
「そりゃそーだ。ま、いいや。傷見せろ。治療、途中だから」
「……はい?」
「傷。出血は止めて俺の血を容れたから、もう死ぬことはないけど、傷があったままだと痛みはあるだろ? その傷跡消しなら出来る」
「傷……」
って、背中と首筋?
「ほら、服脱げ」
「………。! ギャーッ!」
――そして冒頭に戻る。