好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】


「ま、こ……?」
 

その、声も。知っている。


「れい……!」
 

暁なんかでは消えなかった。その存在は確かに在った。


「真紅……本物?」
 

訝(いぶか)し気な黎の胸元を、真紅は思いっきり摑んだ。


「黎! 私の彼氏になって!」


「………は?」
 

感動の再会、なんてものより、よっぽど突飛な再会になってしまった。

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