好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
「瞳」
「め?」
「瞳の色、この前と違くない?」
「ん? ああ……日本(ここ)じゃ悪目立ちするからな。黒のコンタクト入れてる」
「カラコン? じゃあほんとは、銀色なの?」
「だよ。母方の血筋かなー」
そう言えば、イギリスの、とか言っていた。
「でもそういうのって劣性遺伝子じゃなかったっけ?」
「劣性が優性に勝っちまったみたいだな。……それより真紅」
「っ」
名前を呼ばれただけで、心臓の震えがやばい。
どうしよ……泣きそう――
「あれから、誰かにつけられてるとか、そういうことはないか?」