好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
「……おい真紅」
「うん?」
「まさかお前の男友達ってこいつじゃ……」
「そうだよ? 桜城くん」
真紅がそこまで言うと、黎は片手で顔を覆ってため息をついた。
「……なんでよりによって架なんだ……」
「へ?」
かける? 名前で呼んだ?
真紅が黎に意識をとられている間に、架は距離を縮めていた。
その勢いのまま、黎の胸倉を摑み上げた。
身長では黎の方が上だから、架は見上げ睨みつける。
「なんで黎が真紅ちゃんの彼氏なんだよ」