好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
「弟だ」
「おとうと⁉」
「家出するし跡継ぎにならないとか言う放蕩者の馬鹿兄だよ」
「ほうとうもの⁉」
(……………………)
……取りあえず、二人は兄弟というところは理解出来た。
「それで充分だろ」
黎が架の手を払うと、架はさっと真紅の方に寄った。黎の眉も寄る。
「真紅ちゃん、なんで黎と一緒に?」
「え? えーと……」
「お前が原因で女子連中から因縁つけられてんだと」
「!」
(そ、それ言っちゃうの⁉)
「え……どういうこと?」
真剣な表情で問われて、真紅は説明せざるを得なかった。