好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】
「あ、心音は落ち着いてきたな」
「……耳までいいの?」
「いや、こーくっついてると脈拍も直に伝わってくる」
「変態!」
「だから叫ぶな。……あーなんかいいなあ、この感じ。あったかいなあ。真紅はあつあつだなあ」
「私が一人で沸騰してるみたいな言わないでっ」
「じゃあ俺といるからあったかいのか?」
「普通の人間の体温だよ!」
「へー? でもほんと叫ぶなよ? まー俺はもっと抱きしめられるからいいけど」
「……ちくしょ」
また眩暈がしたので声を小さくなった。叫び過ぎたかな……。
「はいはい。てか真紅って不良? こんな時間に出歩いていいのか?」