好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】


「………」


「どうかな? やっぱり私も、こんな私でも、死ぬときくらいは誰かと手を繋いでいたいって思うよ」


「わかった」
 

吸血鬼の指が真紅の首筋に触れる。


「真紅の血はもらう。最期のとき――俺が傍にいる」


「……うん」
 

また、牙が首筋に触れた。

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