好きになった人は吸血鬼でした。ーさくらの血契1ー【完】


「大丈夫だって、真紅。紅緒様にも納得いただけるようにがんばるから」


「……うん」
 

安心させるような黎の言葉に、真紅はまた泣きそうなる。
 

そして、がんばらないといけないのは自分でもあると覚悟しなければ。


「黎さんと真紅が付き合うのかー。いいなー。あたしも彼氏ほしいー」


「み、海雨に彼氏っ? す、すきな人とかいるの?」


「いないんだけどねー。でもやっぱり、憧れる」
 

海雨は膝を抱えて、から笑いを見せた。


「大丈夫。海雨ならすっごい素敵な人いるからっ」
 

真紅が力説すると、海雨はぷっと吹き出した。


「そうだね。真紅の相手が黎さんなんだもんね。あたしも気長に待つかー」
 

二人を見て、海雨は微笑んだ。


「黎さん、真紅をよろしくね? あたしの大事な友達なんだから」


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