もう一度、名前を呼んで2
*悠唏*
紫蛇の件は,大きな力を借りて鎮静化した。
何かとかかわりのある警察官と刑事がいて,そこに頼ったのだ。
紫蛇が怪しげな薬にかかわっていた以上俺たちではどうしようもない。
倉本は逮捕されたし,副総長も逮捕されどこかの医院に入れられたと聞いた。
紫蛇のメンバー数人も薬物所持などで捕まったようだ。
喧嘩については双方に被害があったし,子供の喧嘩の範囲内で片づけられたようだ。
…誰か再起不能になっていたりしたらヤバかったかもしれねえが。今回は俺も怪我したし倉本の半身は昔のことだから追及されずに済んだ。
世話になっているとはいえ,俺らの行動をすべて隠したり不問にしたりしてくれるわけじゃないからな。
それから,紫蛇,ひいては倉本を見限っていた数人を鳳狼の傘下という形で引き入れた。
もちろん鳳狼内でも反対意見は上がったが,あいつらを野放しにしていくわけにもいかねえ……
何かしでかすとは思っていないが,良くないことが起きる可能性はある。
管轄が紫蛇の分広がる関係もあって人手はあるに越したことはないだろうという判断だ。
これからは集会ももっと頻繁にやらなきゃならないし,結束のためにはチームでの行動というのが必要になるだろう。
…そういうのが面倒でやってなかったんだけどな。
この変化は必然だったんだと考えよう。
「鳳狼,なんかでかくなっちゃったねえ」
「そーだな」
「管理体制も見直した方がいいかな」
最近の幹部室での話はもっぱらそればっかりだ。
チームの管理のトップである僚は理流と相談しながら考えを巡らせている。
そろそろ次の代も指名考えねえといけねえしな…
総長と幹部が指名制で受け継がれていくことを考えると,そろそろそれも必要だろう。
幹部候補として引き継いでいかなければならない。
あーくっそ,めんどくせえ