もう一度、名前を呼んで2
「…それが、お前の返事だな」
「うん」
「了承した。ここから出してやろう」
男はそう言ってアイマスクを差し出した。
「これが必要なの?」
「場所を明らかにする必要はない」
「貴方はなんなの?我々、ということは何かの組織ね?」
「…我らはMOON」
「MOON…」
それって、まさか…
「あの…月華の…?」
「そうだ。Edward Ray Patersonは今までにも数度我らに依頼をしてきたことがある。彼が我らを裏切らない限り、我らも協力しよう」
な、なんてこと…想像よりも大きな組織だった。MOONに人探しの依頼だけをするなんて、エドの気がしれない…
「さっさとしろ、お前の家まで連れて行く」
腑に落ちないながらもアイマスクをつけると、なぜか意識まで混濁した。
ふ、と考えることができなくなり、体が崩れ落ちたところで意識を失った。