もう一度、名前を呼んで2
こっちはこっちで理流がすべてをやってくれている。
お肉を焼いてみんなのお皿に入れてくれるし上手な焼き加減で焼いてくれる。
「理流は食べてる?」
「食ってる食ってる,野菜は?」
「トウモロコシはいらない」
「え!うまいのに~」
歯に引っかかるし苦手だ。しかもなんかトウモロコシって胃で消化できないからソノママ出てくるらしい。気持ち悪くない?キライ。
5個ほどマシュマロを焼いて食べると,今度は甘くないものが食べたくなった。
「悠唏,キムチ取って」
「ん」
バーベキューにキムチ持ってきた人天才だと思う。コレってもう焼肉じゃん?
キムチと一緒に理流が焼いてくれたお肉を食べた。
「うま~理流,天才だね」
香ばしくて柔らかいお肉が最高においしい。
バーベキューのお肉って硬いのが嫌だったんだけど,理流サマサマだね。
あたしたちののテーブルと龍毅のテーブルのほかにももう一つあって,そこでも龍毅のところと似たようなバトルが繰り広げられていた。
「焼肉ってやっぱり戦争だね」
「そうだよ?」
僚が笑いながらそう言った。
みんなでお腹いっぱいになるまで食べた後は,海に入った。
「つめたい!!!!」
嘘でしょ!こんなに冷たいの!?
「なぁに言ってんだよ!ヤワだな!」
「なんでそんないきなり肩まで入れるの!?」
「肉食って熱いから」
あたしが持ってる浮輪をしっかりつかんでくれているのは龍毅だ。
悠唏や僚は「腹いっぱいで動けねえから後で行く」とか言ってコテージで寝てる。
舜くんは他のみんなとビーチバレーを始めたし,理流はどっか行った。
「ううう~つめたい……でもきもち~」
「人も少ねえな」
「それがいいよね」
「まあな,俺らみたいなのが大勢いるとこに行くとヤベえし」
ああ…そっか。
あたしは見慣れてるけどみんな顔がいかついもんね。
髪の毛もカラフルだし…今日は海だからかみんな髪型はおとなしめだけど。
浮輪にしがみついて,ぷかぷかと波に揺られて楽しんだ。