もう一度、名前を呼んで2
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「いや~藍那が喧嘩できるとは思ってなかったわ」
「4対1とか卑怯でしょ!」
「そのうち2人も鎮めといてよく言うぜ」
「藍那ちゃんのあれってボクシングなのかな?構えも意外とちゃんとしてたし,どこかで習った?」
「にしては動きがめちゃくちゃだったけどな~」
「参考程度にしてはきれいなストレートだったよね」
「そんなチビで非力なのにダウンさせるとかすげーよ!」
何が基礎なのかなんて知らない。あっちにいたいろんな人に必要だから体に覚えさせろ!って教わったものだし。
実際に喧嘩したりしたわけじゃない。前線で戦闘要員として動いたことだってない。
まあ,エドと二人でいるときに囲まれて二人で10人伸したことはあるけどあれはエドが凄すぎるからだ。
「いっつもボーっとしてるくせにあんな俊敏に動けんだな,お前」
「舜くん,」
あんまりあたしに話しかけてこない舜くんも,なにやら楽しかったのか機嫌がいい。
「危機感持って生活しろよな!」
そうすりゃあんだけ動けんだから,と鼓舞されてしまった。できればそんな目には遭いたくないんだけどなあ
その日はずっとその話題で持ちきりで,うんざりして下に遊びに行ってもコウタやモモを中心にみんなに質問攻めにされた。
どこで喧嘩を覚えたのかがそんなに気になるかね…あたしは日本よりはるかに危険な土地で6年間生活してたんだよ?まあそんなことはわざわざ言わないけどさ。
まあ,そんなことだったけどみんなが楽しそうにしている姿を見れたのは良かった。
最近あまりにも静かで活気がなかったもんね。
よかったよかった。
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「悠唏…最近調べてて確信したんだけど,倉本が復活してるみたい」
「そうか」
「ウチのやつらと小競り合いはちょっとあってたけど,それ以外にも治安が悪くなってる箇所があるね。近いうちに何かあるかもしれないし,藍那ちゃんもメンバーも危機感持ってもらった方がいいと思う」
「…藍那には言っとく。情報まとめとけ,来週には集会する」
「うん」
余程のことがない限り鳳狼から抗争を吹っ掛けることはなかったが,今回で区切りになるかもな…と悠唏は思った。