クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
「応急手当てです。ベルツ家に戻り次第直ぐに医師を呼びますが、移動に時間がかかりますので」
「で、でも……」
私は激しく動揺した。
だってリュシオンの前でスカートを上げて足を出すなんて、凄く抵抗がある。
恥ずかしすぎる。
汚い部屋に閉じ込められていた上に、逃げるとき何度も転んで土や埃が沢山ついているから汚れているだろうし。
でも女性の騎士は来ていないようだから、他の人に手当てをして貰う訳にもいかない。
この場合、婚約者のリュシオンが手当てをするのが正しいのだけど……なんとか誤魔化すしかない。
「ベルツ家に着いてからお医者様に診てもらうので大丈夫よ。休んだから痛みも和らいで来たし。リュシオンはあの人の話を聞いてあげて、急いでいたようだったし……」
「駄目です。怪我を甘く見て放置していると、悪化してしまい歩くのに支障が出る場合があります」
「大げさよ、本当に大丈夫そうだし」
もう平気よとアピールするべく笑顔を浮かべる。
だけどリュシオンには全く通用しなかったようで、小さく溜息を吐いた後、「失礼」と言いながら素早く私の左足に手を伸ばして来た。
「で、でも……」
私は激しく動揺した。
だってリュシオンの前でスカートを上げて足を出すなんて、凄く抵抗がある。
恥ずかしすぎる。
汚い部屋に閉じ込められていた上に、逃げるとき何度も転んで土や埃が沢山ついているから汚れているだろうし。
でも女性の騎士は来ていないようだから、他の人に手当てをして貰う訳にもいかない。
この場合、婚約者のリュシオンが手当てをするのが正しいのだけど……なんとか誤魔化すしかない。
「ベルツ家に着いてからお医者様に診てもらうので大丈夫よ。休んだから痛みも和らいで来たし。リュシオンはあの人の話を聞いてあげて、急いでいたようだったし……」
「駄目です。怪我を甘く見て放置していると、悪化してしまい歩くのに支障が出る場合があります」
「大げさよ、本当に大丈夫そうだし」
もう平気よとアピールするべく笑顔を浮かべる。
だけどリュシオンには全く通用しなかったようで、小さく溜息を吐いた後、「失礼」と言いながら素早く私の左足に手を伸ばして来た。