クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
「本件の沙汰についてはレオンハルト様から通達があると申し上げたはずです。そんな中、グレーテ姫へ減刑の嘆願をする事は不敬にあたります」
とても冷たい声。
実の父親が跪いているのが見えていないはずはないのに、リュシオンは躊躇う様子もない。
シンとしてしまった場から、リュシオンは私を抱いたまま立ち去ろうとする。
当主達の脇を通り過ぎると、甲高い声が響き渡った。
「リュシオン!」
その瞬間、それまで何の動揺も見せなかったリュシオンの身体がビクリと反応した。
「……カサンドラ様」
リュシオンがゆっくりと振り返ると、跪くベルツ家当主達の先にカサンドラの姿が有った。
「……え?」
私は驚愕の声を上げる。
カサンドラは、いつか見た護衛の騎士と侍女を引き攣れて、自分の足で立っていた。
なぜ? 足の怪我はどうしたの?
目を見開く私にカサンドラは見向きもせずに、真っ直ぐリュシオンだけを見つめて近付いて来る。
その歩みに危ういところはない。しっかりとした迷いない足取り。
カサンドラは私達の前に立つと、強い感情の篭った目でリュシオンを睨み付けた。
「リュシオン、話があるわ。直ぐに来て」
とても冷たい声。
実の父親が跪いているのが見えていないはずはないのに、リュシオンは躊躇う様子もない。
シンとしてしまった場から、リュシオンは私を抱いたまま立ち去ろうとする。
当主達の脇を通り過ぎると、甲高い声が響き渡った。
「リュシオン!」
その瞬間、それまで何の動揺も見せなかったリュシオンの身体がビクリと反応した。
「……カサンドラ様」
リュシオンがゆっくりと振り返ると、跪くベルツ家当主達の先にカサンドラの姿が有った。
「……え?」
私は驚愕の声を上げる。
カサンドラは、いつか見た護衛の騎士と侍女を引き攣れて、自分の足で立っていた。
なぜ? 足の怪我はどうしたの?
目を見開く私にカサンドラは見向きもせずに、真っ直ぐリュシオンだけを見つめて近付いて来る。
その歩みに危ういところはない。しっかりとした迷いない足取り。
カサンドラは私達の前に立つと、強い感情の篭った目でリュシオンを睨み付けた。
「リュシオン、話があるわ。直ぐに来て」