クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
リュシオンは、見学席の中でも一番上座の椅子に私を座らせた。
自分はその隣に膝を着き、私と視線を合わせて言った。
「グレーテ姫、もうお分かりかと思いますが訓練場の中は非常に危険です。今後はこの位置から先には立入らないようにお願いします」
真剣な目で言うリュシオンの口調は優しいけれど、“はい”以外の答えは許さないといった雰囲気が醸し出されている。
その迫力に、私は一も二もなく頷いた。
するとリュシオンはほっとしたように小さく微笑んだから、私も安心して先ほどの質問の答えを促した。
「ねえリュシオン、どうして怒っていたの?」
リュシオンは少し気まずそうにしながらも答えてくれた。
「グレーテ姫が訓練場の中に居る事に苛立ってしまいました」
やはり原因は私だった。
「ごめんなさい……中に入ったら駄目だと思わなくて」
少し落ち込みながら頭を下げると、リュシオンは優しい声で言う。
「訓練とは言え騎士達は本気です。そうでなければ力を付ける事が出来ないからです。先ほども騎士が仕切りの壁に叩きつけられていたでしょう?」
「ええ。飛んで来た瞬間は見なかったけど凄い音がして驚いたわ。あの騎士は大丈夫なの?」
「あんなのは日常的な事です。彼ももう訓練に戻っているでしょう」
「そうなの? 私、大怪我しているのかと思ったわ」
直ぐにその場を離れたから少し見たくらいだけど、倒れていた騎士は血を流していた気がする。
あんな状態で直ぐに訓練をするなど私には絶対無理だ。
自分はその隣に膝を着き、私と視線を合わせて言った。
「グレーテ姫、もうお分かりかと思いますが訓練場の中は非常に危険です。今後はこの位置から先には立入らないようにお願いします」
真剣な目で言うリュシオンの口調は優しいけれど、“はい”以外の答えは許さないといった雰囲気が醸し出されている。
その迫力に、私は一も二もなく頷いた。
するとリュシオンはほっとしたように小さく微笑んだから、私も安心して先ほどの質問の答えを促した。
「ねえリュシオン、どうして怒っていたの?」
リュシオンは少し気まずそうにしながらも答えてくれた。
「グレーテ姫が訓練場の中に居る事に苛立ってしまいました」
やはり原因は私だった。
「ごめんなさい……中に入ったら駄目だと思わなくて」
少し落ち込みながら頭を下げると、リュシオンは優しい声で言う。
「訓練とは言え騎士達は本気です。そうでなければ力を付ける事が出来ないからです。先ほども騎士が仕切りの壁に叩きつけられていたでしょう?」
「ええ。飛んで来た瞬間は見なかったけど凄い音がして驚いたわ。あの騎士は大丈夫なの?」
「あんなのは日常的な事です。彼ももう訓練に戻っているでしょう」
「そうなの? 私、大怪我しているのかと思ったわ」
直ぐにその場を離れたから少し見たくらいだけど、倒れていた騎士は血を流していた気がする。
あんな状態で直ぐに訓練をするなど私には絶対無理だ。