クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
その後、私が起きたのは丸一日後のことだった。
目覚めるとホリーがいて、甲斐甲斐しく世話をやいてくれた。
夕方になるとリュシオンがやって来た。
濃紺の騎士服姿のリュシオンは、今日も誰より素敵に見える。
服に映える赤い髪。私を見つめる黒い瞳。引き締まった薄い唇……ついキスした時のことを思い出して、ひとり恥ずかしくなってしまう。
挙動不審の私を不思議そうに見ながら、リュシオンはこの前と同じ椅子に座り、報告してくれた。
「レオンハルト様から急ぎ戻るように命令がありました。明日、アンテス城に向けて出発します」
「分かったわ」
リュシオンがいつまでもここにいる訳にはいかないことは分かっている。バラークの事はまだ解決していないのだから。
「身体に負担が掛からないように進むので、グレーテは馬車でゆっくりしていれば大丈夫です」
「リュシオンは先に帰らなくていいの?」
私に付き添っていたら時間ばっかりかかってしまうけれど。
「グレーテの護衛を他の者に任せる訳にはいかない」
リュシオンはそう言い微笑む。
なんだか……今までより甘い雰囲気になっている気がする。
私の心の問題なのか、実際リュシオンがそういう空気を放つようになったのか分からないけれど。
ただの会話なのに、リュシオンは私の恋人なんだって感じるというか……。
気のせいじゃないと確信したのはその直ぐ後。
リュシオンが近付いて来て、今日もまた私の唇をそっと塞ぎ、抱き締めて来る。
幸せで、気が遠くなりそうだった。
目覚めるとホリーがいて、甲斐甲斐しく世話をやいてくれた。
夕方になるとリュシオンがやって来た。
濃紺の騎士服姿のリュシオンは、今日も誰より素敵に見える。
服に映える赤い髪。私を見つめる黒い瞳。引き締まった薄い唇……ついキスした時のことを思い出して、ひとり恥ずかしくなってしまう。
挙動不審の私を不思議そうに見ながら、リュシオンはこの前と同じ椅子に座り、報告してくれた。
「レオンハルト様から急ぎ戻るように命令がありました。明日、アンテス城に向けて出発します」
「分かったわ」
リュシオンがいつまでもここにいる訳にはいかないことは分かっている。バラークの事はまだ解決していないのだから。
「身体に負担が掛からないように進むので、グレーテは馬車でゆっくりしていれば大丈夫です」
「リュシオンは先に帰らなくていいの?」
私に付き添っていたら時間ばっかりかかってしまうけれど。
「グレーテの護衛を他の者に任せる訳にはいかない」
リュシオンはそう言い微笑む。
なんだか……今までより甘い雰囲気になっている気がする。
私の心の問題なのか、実際リュシオンがそういう空気を放つようになったのか分からないけれど。
ただの会話なのに、リュシオンは私の恋人なんだって感じるというか……。
気のせいじゃないと確信したのはその直ぐ後。
リュシオンが近付いて来て、今日もまた私の唇をそっと塞ぎ、抱き締めて来る。
幸せで、気が遠くなりそうだった。