クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
目が合うとお父様は続きを口にした。
「リュシオンは辺境伯令嬢の夫としては身分が低い。だが、娘を任せるのに相応しい男だと思っている。」
私は頷いてから答える。
「はい、私もリュシオンの事を信頼しています」
「そうか。ならば問題はないな?」
「私には断る理由は有りません。でもリュシオンはこの話を納得しているのですか?」
私が心配なのはリュシオンの気持ちだ。
私には彼がこの結婚を承諾すると思えない。
もう何年も前だけれど、彼の胸に秘めていた想いを、彼自身が口にしたのを私は偶然聞いてしまった事がある。
リュシオンはまさか私が聞いているなんて思ってもいなかっただろう。
もし聞いていた事に気付いたとしても、その頃の私はまだ七歳にもならない幼子だったから、大して気にしなかったのかもしれない。
でも私は今でもはっきりと覚えている。
――私はラウラ姫を想っています――
嘘偽りが許されないその場でリュシオンが告白したその言葉を。
「リュシオンは辺境伯令嬢の夫としては身分が低い。だが、娘を任せるのに相応しい男だと思っている。」
私は頷いてから答える。
「はい、私もリュシオンの事を信頼しています」
「そうか。ならば問題はないな?」
「私には断る理由は有りません。でもリュシオンはこの話を納得しているのですか?」
私が心配なのはリュシオンの気持ちだ。
私には彼がこの結婚を承諾すると思えない。
もう何年も前だけれど、彼の胸に秘めていた想いを、彼自身が口にしたのを私は偶然聞いてしまった事がある。
リュシオンはまさか私が聞いているなんて思ってもいなかっただろう。
もし聞いていた事に気付いたとしても、その頃の私はまだ七歳にもならない幼子だったから、大して気にしなかったのかもしれない。
でも私は今でもはっきりと覚えている。
――私はラウラ姫を想っています――
嘘偽りが許されないその場でリュシオンが告白したその言葉を。