クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
その時は、その言葉にどんな想いが込められているか理解出来なかった。
リュシオンが姉を大切に想っているのは当たり前の事だ。いつも側にいて守っている相手なのだから。
だけど、なぜか聞いてはいけなかった事のような気がして、私はその場を逃げ出し、誰にもその事を話さなかった。
その後も、時々その時の光景を思い出した。
姉を想っていると言ったリュシオンの声が甦る。
おばあ様の前で言ったことだ。嘘や冗談を言う訳がない。あれはリュシオンの本当の気持ち……。
何度目かに思い出した時に、私はようやく気が付いた。
リュシオンは姉ラウラを愛しているのだと。
アンテス辺境伯家の令嬢として大切に想っているのではなく、ひとりの女性として大切に想っている。
そんな想いが篭った言葉だったのだど。
◇◇◇
リュシオンは姉ラウラの事が好き。
そう気付いた日から、私はリュシオンの事が気になって、気付けば目で追うようになっていた。
リュシオンはいつ姉に気持ちを伝えるのだろう。
そんな風に気にしていたけれど、姉はいつの間にかフェルザー公爵アレクセイ様と結婚してしまっていた。
元王子のアレクセイ様は、生まれついての王族に相応しい、絢爛豪華な雰囲気を持つ男性だ。
姉夫婦は、お互い想い合っているのが傍目からもよく分かった。
結婚して何年も経つ今でも、ふたりは周りが羨む程とても仲が良い夫婦だ。
結局リュシオンは姉に気持ちを伝えなかったのだと思う。リュシオンに対し屈託無く話しかける姉の様子を見れば分かる。
それでもリュシオンは今でも姉の事想っているのではないかと、私は思う。
彼が姉を見る目は変わらずとても優しいから。
私の考え通りならばリュシオンは私との結婚を断るだろう。
けれどお父様から返ってきた答えは違っていた。
「リュシオンは既に承諾している」
「え……本当ですか?」
「ああ。初めは身分違いと躊躇っていたが、最終的には納得した」
「そうですか……」
ならば私に反対する理由はない。お父様が決めたこの縁談はとんとん拍子に進んでいくだろう。
だけどその前に一度リュシオンに会って話したい。
この縁談をどう感じているのかを、直接聞いてみたかった。
リュシオンが姉を大切に想っているのは当たり前の事だ。いつも側にいて守っている相手なのだから。
だけど、なぜか聞いてはいけなかった事のような気がして、私はその場を逃げ出し、誰にもその事を話さなかった。
その後も、時々その時の光景を思い出した。
姉を想っていると言ったリュシオンの声が甦る。
おばあ様の前で言ったことだ。嘘や冗談を言う訳がない。あれはリュシオンの本当の気持ち……。
何度目かに思い出した時に、私はようやく気が付いた。
リュシオンは姉ラウラを愛しているのだと。
アンテス辺境伯家の令嬢として大切に想っているのではなく、ひとりの女性として大切に想っている。
そんな想いが篭った言葉だったのだど。
◇◇◇
リュシオンは姉ラウラの事が好き。
そう気付いた日から、私はリュシオンの事が気になって、気付けば目で追うようになっていた。
リュシオンはいつ姉に気持ちを伝えるのだろう。
そんな風に気にしていたけれど、姉はいつの間にかフェルザー公爵アレクセイ様と結婚してしまっていた。
元王子のアレクセイ様は、生まれついての王族に相応しい、絢爛豪華な雰囲気を持つ男性だ。
姉夫婦は、お互い想い合っているのが傍目からもよく分かった。
結婚して何年も経つ今でも、ふたりは周りが羨む程とても仲が良い夫婦だ。
結局リュシオンは姉に気持ちを伝えなかったのだと思う。リュシオンに対し屈託無く話しかける姉の様子を見れば分かる。
それでもリュシオンは今でも姉の事想っているのではないかと、私は思う。
彼が姉を見る目は変わらずとても優しいから。
私の考え通りならばリュシオンは私との結婚を断るだろう。
けれどお父様から返ってきた答えは違っていた。
「リュシオンは既に承諾している」
「え……本当ですか?」
「ああ。初めは身分違いと躊躇っていたが、最終的には納得した」
「そうですか……」
ならば私に反対する理由はない。お父様が決めたこの縁談はとんとん拍子に進んでいくだろう。
だけどその前に一度リュシオンに会って話したい。
この縁談をどう感じているのかを、直接聞いてみたかった。