クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
「それでお兄様、私は何をすればよろしいのでしょうか?」
バラークとの戦について私が役立てる事は無いだろう。と言う事はお兄様の頼みと言うのは、バラークとは無関係の、手はかかるけれど私でも対応出来る雑務か何かだ。
「グレーテには、しばらくベルツに行って欲しいんだ」
「えっ?」
軽く考えていた私は、全く予想外の事を言われ、はしたなく高い声を上げてしまった。
ベルツと言えばリュシオンの実家の主家。その家に私に行けだなんて、お兄様は何を考えているのだろう。
この話はリュシオンも知らなかったようだ。唖然とする私に代わり、お兄様に詰め寄った。
「ベルツ家とはどういうことでしょうか?」
リュシオンの反応は想定済みだったのか、お兄様は余裕の表情で腕を組んで言った。
「言葉の通りだ。グレーテには俺の代わりにベルツ家に行ってもらう。婚約者のお前にも一応報告しようと思って、一緒に呼んだんだよ」
肝心の説明が無いお兄様に、私は呆れて溜息を吐いた。
いくら身内相手とは言え、省略し過ぎた。
「レオンハルト様の名代という事は分かりました。ですが、ベルツ家に行くそもそもの理由が不明です」
「ベルツ家にシハレフ家の後継者が滞在するんだよ。歓迎の宴席を設けるから、アンテス家の人間にも是非参加して欲しいとヘルマンから頼まれてな」
「ヘルマン……」
アトレゼで遭った小柄な男性の姿を思い出す。リュシオンに対して失礼な態度だったから、私の彼に対する印象は最悪だ。
あの時、お兄様に伝える事が有ると言っていたのはこの事だったのか。
でも、シハレフ家は小国とは言え王の一族。
なぜこの地方の領主であるアンテス家ではなく、その配下のベルツ家に滞在するのだろう。
普通だったらアンテス城へ来そうなものなのに。
疑問に感じているとリュシオンが気付いてくれたようで、理由を教えてくれた。
バラークとの戦について私が役立てる事は無いだろう。と言う事はお兄様の頼みと言うのは、バラークとは無関係の、手はかかるけれど私でも対応出来る雑務か何かだ。
「グレーテには、しばらくベルツに行って欲しいんだ」
「えっ?」
軽く考えていた私は、全く予想外の事を言われ、はしたなく高い声を上げてしまった。
ベルツと言えばリュシオンの実家の主家。その家に私に行けだなんて、お兄様は何を考えているのだろう。
この話はリュシオンも知らなかったようだ。唖然とする私に代わり、お兄様に詰め寄った。
「ベルツ家とはどういうことでしょうか?」
リュシオンの反応は想定済みだったのか、お兄様は余裕の表情で腕を組んで言った。
「言葉の通りだ。グレーテには俺の代わりにベルツ家に行ってもらう。婚約者のお前にも一応報告しようと思って、一緒に呼んだんだよ」
肝心の説明が無いお兄様に、私は呆れて溜息を吐いた。
いくら身内相手とは言え、省略し過ぎた。
「レオンハルト様の名代という事は分かりました。ですが、ベルツ家に行くそもそもの理由が不明です」
「ベルツ家にシハレフ家の後継者が滞在するんだよ。歓迎の宴席を設けるから、アンテス家の人間にも是非参加して欲しいとヘルマンから頼まれてな」
「ヘルマン……」
アトレゼで遭った小柄な男性の姿を思い出す。リュシオンに対して失礼な態度だったから、私の彼に対する印象は最悪だ。
あの時、お兄様に伝える事が有ると言っていたのはこの事だったのか。
でも、シハレフ家は小国とは言え王の一族。
なぜこの地方の領主であるアンテス家ではなく、その配下のベルツ家に滞在するのだろう。
普通だったらアンテス城へ来そうなものなのに。
疑問に感じているとリュシオンが気付いてくれたようで、理由を教えてくれた。