クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
「ご存知でしょうか? リュシオンは我がベルツ家の配下カイザー家の出身で私とは幼馴染の関係なのです」
カサンドラが何を言いたいのか分からないけれど、嫌な予感に襲われる。
これ以上会話を続けない方がいい気がする。失礼にはなるけれど、強引にこの場を立去ろう。
「リュシオンがカイザー家の出身だと言う事は聞いています。先ほどお義父様とも挨拶を致しましたので。ところでカサンドラ様申し訳有りませんが、私はそろそろ失礼させて頂きますわ」
突然会話を打ち切った為、カサンドラの侍女と護衛が不快気に顔をしかめる。カサンドラも同じような思いだろうけどさすがに顔には出して来なかった。
「それは残念ですわ。グレーテ様とはもっとお話したい事が御座いましたのに」
後味の悪さを感じながら私は踵を返し、元出て来た出入り口に向かう。
カサンドラの視線から完全に外れる迄、緊張が解けなかった。
散策する気などすっかり失せてしまった私は、真っ直ぐ滞在用の部屋に戻り、意気消沈してソファーに腰掛けてぼんやりと過ごした。
カサンドラのリュシオンを見る目は憎しみに溢れていた。リュシオン起因の事故は昔の事だけれど、彼女にとっては現在の出来事なのだと実感した。
一連の出来事を思いしていると、出発の支度をしていたリュシオンが部屋に戻って来た。
「リュシオン、大丈夫?」
思わず立ち上がる私に、リュシオンは穏やかに微笑みを返してくれる。
「大丈夫です。その様子だとグレーテの方が参ってしまっているようですね」
カサンドラが何を言いたいのか分からないけれど、嫌な予感に襲われる。
これ以上会話を続けない方がいい気がする。失礼にはなるけれど、強引にこの場を立去ろう。
「リュシオンがカイザー家の出身だと言う事は聞いています。先ほどお義父様とも挨拶を致しましたので。ところでカサンドラ様申し訳有りませんが、私はそろそろ失礼させて頂きますわ」
突然会話を打ち切った為、カサンドラの侍女と護衛が不快気に顔をしかめる。カサンドラも同じような思いだろうけどさすがに顔には出して来なかった。
「それは残念ですわ。グレーテ様とはもっとお話したい事が御座いましたのに」
後味の悪さを感じながら私は踵を返し、元出て来た出入り口に向かう。
カサンドラの視線から完全に外れる迄、緊張が解けなかった。
散策する気などすっかり失せてしまった私は、真っ直ぐ滞在用の部屋に戻り、意気消沈してソファーに腰掛けてぼんやりと過ごした。
カサンドラのリュシオンを見る目は憎しみに溢れていた。リュシオン起因の事故は昔の事だけれど、彼女にとっては現在の出来事なのだと実感した。
一連の出来事を思いしていると、出発の支度をしていたリュシオンが部屋に戻って来た。
「リュシオン、大丈夫?」
思わず立ち上がる私に、リュシオンは穏やかに微笑みを返してくれる。
「大丈夫です。その様子だとグレーテの方が参ってしまっているようですね」