クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
ベルツ家での出会い
リュシオンが発った後、私は今夜の会食に出席する為の支度を始めた。
シハレフ王族歓迎の為の晩餐会は明日だけれど、その前に私を接待する食事の席を開くそうで招待されているのだ。
荷物の中から小規模な食事会に相応しいドレスを選び出す。
明るい緑の生地のすっきりしたデザインのドレスだ。派手さは無いけど上品に見える気がするので気入っている。
着替えを終えると、ホリーに髪を結い上げて貰う。
髪型は、ドレスがシンプルな分凝った編込みにするようだ。その辺はいつもホリーに任せているので、口出しはせずに大人しく出来上がりを待つ。
大きな鏡に映る私は、とても気分が良さそうだ。
「……我ながら単純よね」
少しリュシオンに優しい言葉をかけてもらっただけで、悩みも憂鬱な気持も消えてしまうのだから。
リュシオンって私の扱いが結構上手いと思う。あの言動はこうなると分かってやっているのではない?
あれこれ考えていると、ホリーの嬉しそうな声が聞こえて来た。
「出来ました! 素晴らしい出来栄えですよ」
「……本当、綺麗に纏まっているわ」
丁寧に櫛を通し艶が出ている髪が乱れなく纏まっている。と言っても全てがきっちりしている訳ではなく、計算された後れ毛が柔らい印象を醸し出している。ホリーが自賛するのも頷ける。
「リュシオンにも見て欲しかったわ」
ついそう呟くと、ホリーがのんびりした口調で答える。
「リュシオン様には分からないんじゃないですかね。女性の髪形とか疎そうじゃないですか」
「確かに。リュシオンが女性の髪形をつぶさに観察していたらなんか嫌だわ」
「そうですよ。多分、綺麗だとか変だとか大雑把な感想しかないと思いますよ」
「……そうね」
そんな風に実の無い会話をしていると、あっという間に時間が経ち、ベルツ家の侍女が食事会の為に迎えに来た。
シハレフ王族歓迎の為の晩餐会は明日だけれど、その前に私を接待する食事の席を開くそうで招待されているのだ。
荷物の中から小規模な食事会に相応しいドレスを選び出す。
明るい緑の生地のすっきりしたデザインのドレスだ。派手さは無いけど上品に見える気がするので気入っている。
着替えを終えると、ホリーに髪を結い上げて貰う。
髪型は、ドレスがシンプルな分凝った編込みにするようだ。その辺はいつもホリーに任せているので、口出しはせずに大人しく出来上がりを待つ。
大きな鏡に映る私は、とても気分が良さそうだ。
「……我ながら単純よね」
少しリュシオンに優しい言葉をかけてもらっただけで、悩みも憂鬱な気持も消えてしまうのだから。
リュシオンって私の扱いが結構上手いと思う。あの言動はこうなると分かってやっているのではない?
あれこれ考えていると、ホリーの嬉しそうな声が聞こえて来た。
「出来ました! 素晴らしい出来栄えですよ」
「……本当、綺麗に纏まっているわ」
丁寧に櫛を通し艶が出ている髪が乱れなく纏まっている。と言っても全てがきっちりしている訳ではなく、計算された後れ毛が柔らい印象を醸し出している。ホリーが自賛するのも頷ける。
「リュシオンにも見て欲しかったわ」
ついそう呟くと、ホリーがのんびりした口調で答える。
「リュシオン様には分からないんじゃないですかね。女性の髪形とか疎そうじゃないですか」
「確かに。リュシオンが女性の髪形をつぶさに観察していたらなんか嫌だわ」
「そうですよ。多分、綺麗だとか変だとか大雑把な感想しかないと思いますよ」
「……そうね」
そんな風に実の無い会話をしていると、あっという間に時間が経ち、ベルツ家の侍女が食事会の為に迎えに来た。