クールな公爵様のゆゆしき恋情 外伝 ~騎士団長の純愛婚~
ベルツ家のダイニングサロンは華やかさは無いけれど、清潔で広々としていて居心地が良さそうだった。
侍女に案内された上座に着いた。
私の他にテーブルに着いているのは、ベルツ家の当主夫妻とその息子のヘルマンとカサンドラ。
その他、ベルツ家の親戚達だった。
皆、辺境伯の娘である私に気を遣ってくれているようで、特に不快な事を言われる事もなく、会食は滞りなく進んでいく。
リュシオンとカサンドラの件だけが心配だったけれど、それを口と態度に出す人はいなく、何事もなく穏やかに終りそうな気配だった。
けれど、そろそろ退出しようとしたその時、それまで殆ど口を利かなかったカサンドラが私に声をかけて来た。
「グレーテ様。よろしかったら先ほどのお話の続きをしませんか?」
「……ええ、構いませんわ」
正直言えば気が進まないけれど、この段階でベルツ家令嬢の誘いを無碍に断るのは失礼だ。
促されるまま、彼女の座る椅子の近くのソファーに腰をかける。
カサンドラからは、昼間リュシオンに向けていたような敵意は感じない。
私への感情はそう悪いものでは無さそうだった。
「私の事、リュシオンから聞いていらっしゃいますか?」
「主家の令嬢だと聞いています」
「それだけですか?」
カランドラは、隙の無い眼差しで追求して来る。彼女の考えが読めずに戸惑いながら、私は答えた。
「あなたに酷い怪我を負わせてしまったと……詳しい事までは聞いていませんが」
侍女に案内された上座に着いた。
私の他にテーブルに着いているのは、ベルツ家の当主夫妻とその息子のヘルマンとカサンドラ。
その他、ベルツ家の親戚達だった。
皆、辺境伯の娘である私に気を遣ってくれているようで、特に不快な事を言われる事もなく、会食は滞りなく進んでいく。
リュシオンとカサンドラの件だけが心配だったけれど、それを口と態度に出す人はいなく、何事もなく穏やかに終りそうな気配だった。
けれど、そろそろ退出しようとしたその時、それまで殆ど口を利かなかったカサンドラが私に声をかけて来た。
「グレーテ様。よろしかったら先ほどのお話の続きをしませんか?」
「……ええ、構いませんわ」
正直言えば気が進まないけれど、この段階でベルツ家令嬢の誘いを無碍に断るのは失礼だ。
促されるまま、彼女の座る椅子の近くのソファーに腰をかける。
カサンドラからは、昼間リュシオンに向けていたような敵意は感じない。
私への感情はそう悪いものでは無さそうだった。
「私の事、リュシオンから聞いていらっしゃいますか?」
「主家の令嬢だと聞いています」
「それだけですか?」
カランドラは、隙の無い眼差しで追求して来る。彼女の考えが読めずに戸惑いながら、私は答えた。
「あなたに酷い怪我を負わせてしまったと……詳しい事までは聞いていませんが」