【短】告白

そんな経験をしてから、私の異性関係は一時とても荒んでいた。
まさに、「来る者拒まず、去る者追わず」な世界。
欠落したものを埋められるなら、なんでもよかった。
こんなガラクタな私を、愛してくれるならそれでよかった…。

私はお世辞にも可愛いとか美人だと言える方ではなかったけど、不思議と声を掛けてくれる人は多かった。
飲み会に行けばすぐに隣へ寄って来てくれる人がいたし、
友達に「一回でいいから会って!」と頼まれて異性を紹介されると、不思議と「付き合ってくれる?」なんて言わればかりだったから。



でも。


本当の恋は、二度と出来ない。
本気で人なんて二度と愛せない。



そう思うのに、周りがそれを許さず常に相手がいるような状態になっていた。
だけど、大体がその場限りの関係で終わり、続いたとしても先に書いた通り空っぽな私に愛想をつかせて去っていくばかり。


「そんな子だとは思わなかった」

「がっかりした」

「俺は、人形みたいな彼女が欲しかったわけじゃないから…」


置き去りにしていく言葉のどれもが勝手なイメージを私に押し付けていただけのもので。
じゃあ、本当の私って一体どんな奴なの?
このままの私じゃいけないの?
もう、誰にも愛される資格なんてないの?
…そう、ずっと思ってた。
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