【短】告白

そして、先パイが卒業して、二年になり…漸くそんな関係ばかりを重ねることが面倒になってきた。
だから、それ以降の出逢いは全部、最初から「男友達」としてだけ、関係を築くようになった。
それ以上深くには入り込んで来れないように、幾重にも線を引いた。
それでも…彼とは、卒業してからも休むことなく連絡を取り合っていた。
普通なら、親友の元カノなんて面倒な存在だろうに、彼は出会った頃と変わりなくずっと私の話を聞いてくれている。
そんな感じで気が付けば1年、2年…と時間が経っていった。
そして、余程のことがない限り、ほとんど毎晩続いている電話は、私には絶対になくせないものになっていた。


「もしもーし?爽香ちゃーん?」

「はーい。あれ?今日は早いねぇ?練習なし?」

「ん。で、今帰ってきたとこ!はぁー…やっぱ落ち着くねー」

「あー…私も部屋に戻ると落ち着くよ~。同じだね~」

「違う違う。爽香ちゃんと電話してると落ち着くってやつよ?」

「……?」

「あははは。分かんないなら、それでいーって。今すっごい眉間にシワ寄ってるっしょ?」

「…!なんで分かんの?!」

「爽香ちゃんとは長いからねぇ…あーもー俺ってオヤジだわ~」

「???」

「ぷっ…くははははっ!もー酔ってないのに、マジでウケるー!」

「むぅ。えーじ先パイってば、ウケ過ぎだよ!もーなんで笑われてるのか分かんないのがめっちゃ悔し~!」
< 11 / 27 >

この作品をシェア

pagetop