【短】告白
そして、先パイが卒業して、二年になり…漸くそんな関係ばかりを重ねることが面倒になってきた。
だから、それ以降の出逢いは全部、最初から「男友達」としてだけ、関係を築くようになった。
それ以上深くには入り込んで来れないように、幾重にも線を引いた。
それでも…彼とは、卒業してからも休むことなく連絡を取り合っていた。
普通なら、親友の元カノなんて面倒な存在だろうに、彼は出会った頃と変わりなくずっと私の話を聞いてくれている。
そんな感じで気が付けば1年、2年…と時間が経っていった。
そして、余程のことがない限り、ほとんど毎晩続いている電話は、私には絶対になくせないものになっていた。
「もしもーし?爽香ちゃーん?」
「はーい。あれ?今日は早いねぇ?練習なし?」
「ん。で、今帰ってきたとこ!はぁー…やっぱ落ち着くねー」
「あー…私も部屋に戻ると落ち着くよ~。同じだね~」
「違う違う。爽香ちゃんと電話してると落ち着くってやつよ?」
「……?」
「あははは。分かんないなら、それでいーって。今すっごい眉間にシワ寄ってるっしょ?」
「…!なんで分かんの?!」
「爽香ちゃんとは長いからねぇ…あーもー俺ってオヤジだわ~」
「???」
「ぷっ…くははははっ!もー酔ってないのに、マジでウケるー!」
「むぅ。えーじ先パイってば、ウケ過ぎだよ!もーなんで笑われてるのか分かんないのがめっちゃ悔し~!」