【短】告白

彼は、大学に入ってからもバレーを続けていた。
毎日物凄い忙しいにもかかわらず、欠かすことなく掛かってくる電話。
スマホに彼の名前が表示されるだけで、どれだけ救われているか…多分、それは彼にも分からないだろう。




相変わらず、とても和む、この通話時間。
それが本当に当たり前のように、ほぼ毎日電話をしているのに、私達はそれ以上の関係にはならない。
それでも、彼の存在は唯一私にとって頼れるもので、話す度に彼を人間として好きだと感じてた。
他にも何人か「この人は私の絶対的な親友」と思える男友達も出来たけど、
性別という垣根を越えて何でも話し合えるのは、彼だけだと思う。
例えば、赤裸々な男女間の話題とか、恋愛中の男性のメカニズムとか、他の人じゃ恥ずかしくて言えない事・聞けない事も、彼にだけは打ち明けられた。
そして彼からも、色んな話を聞いた。
どんな夢があるかとか、食べ物や音楽なんかの好みとか、好きなもの、大切にしているものまで。
いつも、彼は自ら進んで自分の話をしてくれていた。
そこにきちんと対等な存在として、私のことを位置付けてくれているんだという安心感が生まれ、益々彼のことが好きになった。

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