【短】告白
「爽香ちゃんはさ、自分を犠牲にしちゃう所があるんだよね。誰だって皆人には嫌われたくないから、その誰もが持ってる防衛本能みたいな感じで爽香ちゃんは、自分を犠牲にしてる。
そういうの、俺は全然嫌だとは思わないしそこが爽香ちゃんの良い所だって思うけど…やっぱり、あんまり自分ばっかり傷ついてちゃ、自分自身が可哀想でしょ?
だから、すぐにじゃなくてもいいから、少しずつのんびりと自分のこと大切に出来るようにしていこ?俺、応援するし。ほら…あんまり泣いてると瞳が赤くなっちゃうから、そろそろ泣き止んで?」
「…うん。…ごめんね?えーじ先パイが優しいから…なんか私いっつも甘えてばっかりで…」
「甘えてもいーんじゃないの?俺でいいなら、甘えちゃいなよ?先に言っとくけど、全然迷惑じゃないし、嫌いにもなんないし、勿論幻滅もしないからさ」
「…えーじ先パイって…なんで、そんなに優しいの?」
「ん?…それはね…んー…まだ内緒…もう少ししたら、きっと分かるよ」
「なんか、ずるい…」
「ずるくない、ずるくない~。ほんと、その内…多分、近い内に分かるから。…その時は、よろしくね?」
「…?あ、こちらこそよろしく、デス…?」
「…ぷっ。ほんっとに爽香ちゃんて天然だよねー」
「もー!なんでそんなにウケてんの?!訳分かんないしー!」
偶に彼は私には分からないことを言っては、私の反応を楽しんでいた。
それが、まさかこれから一ヵ月後に思いもよらない形でその意図を知ることになるなんて、私には想像もつかなかった。