【短】告白

そして、「じゃあ、ここで…」

と、別れた後。
私は家に向かい、てくてくと歩きながら、ある事に気付く。


失うのが怖いのは、どうして?
ただの友達なら、他にも沢山いるはずなのに…どうして彼だけは、ダメなの?
私は、あぁ、と一つの想いにぶつかり、なんとも言えない苦笑をした。


そっか…。

私は、彼を求めているんだ…と、今までモヤモヤしていたものが、かちん、と嵌った気がしたから。


言われてみれば。
私の中で、彼の横を、『彼女』として歩く事が出来たらいいなと思う事はよくあった。
車の中で、二人きりの時、不意に手を繋ぎたい、抱き締めて欲しいと思ってしまう事も…。


だから、きっと。
きっと…もう、この告白の答えは、出ているんだ。



そう思ったら…急に彼が恋しくなった。

私の今までの告白の一つ一つを、甘受してくれてきた人。
ただ、ただ、私は貴方に…。


素直な気持ちで貴方に落ちていきたい。


私は、その想いを胸に抱いて、今度の週末にまた逢う約束をしている彼へ向かってぽつりと呟いた。


___今度は、私からの告白を…聞いてください…。

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