【短】告白
そして、なにもかも上の空で過ぎてしまった1週間。
何時ものように、彼のエスコートで、車に乗り込んで…少し遠くへ行こうかなんて提案に、私のテンションはすぐにMAXになる。
次々に流れ込んでくる景色の一つ一つが新鮮で、この時間が愛しいと思うのは…自分の気持ちがはっきりしたせいもあるんだろうけど。
「楽しいね」
って、運転しながら、くしゃりと私の好きな笑顔を惜しみもせずに見せてくれる彼のせいでもある…と私は思う。
そんな事をしてる内に、目的地途中のパーキングエリアに到着して。
そこで、休憩をしようと出店している店舗をパネルで眺めていたら、その隣…結構な至近距離で彼が、
「ソフトクリームってどこで売ってるー?」
なんて聞いてきたから、どきん、と胸が高鳴った。
こんな感覚は、今までなかったかもしれない。
あの人、の隣にいる時は、とにかく少しでも距離を詰めたくて必死だったから、ドキドキしている暇もなかった。
やっぱり、あの時の私は子供だったんだなって、妙に納得出来てしまう自分が、なんだかおかしかった。
もう、呪縛なんて一欠けらもないじゃん。
そう思ったら、今日、絶対に彼へ…私から告白しなければ、と決意が固まった。