【短】告白
練習のちょっとした休憩時間に、体育館の隅でちょこんと一人で体育座りをして見学をしていた私を見付けて、
真っ先に汗を拭いながら近寄ってきてくれる彼は、本当に優しい人。
毎回、自分では収拾の付かない感情を、ぽつりぽつりと話す私を急かしもせずに、じっと話を聞いてくれる。
今も、まさにそうだった。
昨日まで彼氏だった人は、一度だけ視線が合ったけどぎこちなく違う方向を向いて何も声を掛けてくれなかったのに。
…「友達に戻ろう」
なんて本当は嘘だって分かってるのに…やっぱり折角出会った人にそういう態度を取られると寂しいなって思った。
「強がり、ねぇ…?俺は、爽香ちゃんがダメって訳じゃないんだと思うけどなぁ?…あ、時間きちゃった。じゃあ、また…あ、夜電話しても平気?」
「うん…平気。えーじ先パイ…ありがと」
「いーの。いーの。俺の好きでしてることなんだし。ま、お節介だと思ったら遠慮なく言ってね?じゃーねー」
にこにこと優しい笑顔でひらひらと手を振りながら、そのままチームメイトの元へと歩いてく、
彼の後姿をぼんやりと見つめながら、このままじゃ、ダメ、だよなぁ…なんて思った。