捨てられた町
カエルが振り返ってこちらを見ている様子が安易に想像できた。


「僕は1人でこの丘を下るから大丈夫だ」


僕はそう言い、カエルとは逆方向へと歩き出した。


これはどうせ夢なんだ。


丘から下りたいと強く願えば簡単に下りれるに決まっている。


「おいルキ、そっちは危ないぞ!」


「はいはい。ご心配ありがとうね」


僕はカエルがいる方向へヒラヒラと手を振り、カエルにさよならしたのだった。

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