捨てられた町
だけど、ミミは決意をしたように顔を上げたのだ。


「持ち主が小学校6年生の頃、お友達が家にやってきました。2人ともとても仲のいい子で、何度か家に遊びに来たことがあり、私も知っている子たちでした。みんながもっと小さい頃には私を使って遊んでいた時もあります。でも、その日は違いました。


お友達の1人が私を見て『まだこんなぬいぐるみを持っているの?』そう、持ち主に言ったんです」


ミミはそう言うと、険しい表情を作った。


「小学校6年生にもなってウサギのぬいぐるみを大切に持っているなんて変だ。そう言われたんです」


そういうものなのかなぁ。


僕は首を傾げた。
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