捨てられた町
ミミは一瞬頬を染め、その後は夢中になってニンジンチップスを食べた。


「どうだ?」


カエルが聞く。


ミミはゴクリと喉を鳴らして口の中のニンジンチップスを飲み込むと、頬を上気させたままほほ笑んだ。


「とても美味です」


ミミの言葉に部屋に漂って来た緊張感が一気に溶けて行く。


カエルと僕は目を見合わせてほほ笑んだ。


「よかった」


自然とそんな言葉が漏れた。


「皆さんも食べてください」
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