捨てられた町
「それなら、一旦食べるのをやめて話を聞いてくれないか?」


そう言うと、カエルが僕の膝の上に乗って来た。


「そうしてもらおう。食べれば食べるほど、このニンジンチップスは平凡な味がしてきた」


元々平凡な味しかしていないんだよ。


そう言おうとしたが、やめておいた。


「そうですか、それでは話を聞きます」


ミミは名残惜しそうにニンジンチップスをテーブルの上に置き、僕を見た。


「ミミは、どうして僕と一緒にいたいと思ったんだ?」
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